今月のいちおし!7月

50歳。はじまりの音しか聞こえない 青木さやかの「反省道」

著者 青木さやか
発行 世界文化社 1,760円(税込)




田中 澄代

人生での成功や失敗について考え、自分自身の行動や価値観を見つめなおす場面あり。それが今の自分にどのような影響を与えているのか振り返る。単なる失敗談ではなく年齢を重ねることで変化した価値観や、今だからこそ気づけた人生の真実についての語りあり。バツイチ、シングルマザー、貯金薄、失恋、離人症、依存症ほか。

あとがきに「わたしは、人からみれば少しばかりミジメにみえるときもあるかもしれないが、自分の心に聞いてみると、若い頃より圧倒的に楽しいのだ。あのとき、人生をおりなくてよかった。と思う瞬間が増えたのだ。いろいろあるけど、やっぱり、今日がはじまりだと思える毎日と、皆々さまにありがとう。」とある。多くの人は、あらお気の毒と思うのか、わかるわかると共感するか…どうなのだろう。

人生の折り返しともいわれる50歳を折り返しではなく新たなスタートと捉え、可能性や夢に向かって勇気をもって歩き出す人たちって素晴らしいと思う。

 生きていれば、理不尽なことや理解しがたいこと、自分の力ではどうしようもないことがおこる。おこったことを、人や環境のせいにして留まるか、そこから学んだ何かをバネにして進むか。どちらを選ぶかは自分次第。良くも悪くも過去の経験を活かしながら、年齢に伴う制約や社会的なイメージにとらわれず、自分らしい生き方を追求していきたい。

 

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