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僕の狂ったフェミ彼女
| 著者 ミン・ジヒョン |
| 発行 イースト・プレス 1,760円(税込) |
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ある日中絶合法化を求めるデモに出くわしたスンジュンは、その場で四年前不本意な別れを迎えた元彼女と再会する。以前とは見た目も話し方も全然違う彼女はフェミニストになっていた。
その日以来彼女のことが頭から離れないスンジュンは条件付きで再び彼女と付き合い始めるのだが、今日あったおもしろい話がしたいスンジュンに対して、彼女は日々おこる性暴力事件に憤り、自身も男性からのセクハラ被害に悩んでおり、すれ違いを続けていた。
「説明しないとわからないことは、説明してもわからないんだよ」
物語の終盤で吐かれた彼女の言葉は読者一人ひとりに向けられている。多様性が尊重され、個人一人ひとりの差異が可視化されようとしている現代。友人でも家族でも、相手がどんな場所で、何とどう戦っているのかは、互いに歩み寄るという営みがなければ決して窺い知ることはできない。それぞれの立場をなかなか抜け出せない二人だけれど、二人の会話が「説明してもわからない」という絶望を、希望へと変える道しるべとなっているような気がした。