今月のいちおし!8月

ともにいきるための「世界ルール」

えほん人種差別撤廃条約

 

阿久澤麻理子・小森恵  

ナイダ・マッツェンガ 絵

解放出版社2,200(税込)

 

田中 澄代

 

 人種差別とは、人を生まれや外見、出身などによって不公平に扱ったり、仲間外れにしたりするなど、差別を受けた人が悲しみや苦しみを感じ、自分らしく生きる権利を奪われてしますことです。人種差別撤廃条約という国際ルールがありながら、守られていない事実があります。

世界中の人々が安心して暮らせる社会を目指してつくられた「人種差別撤廃条約」をもとに、人種や国籍、民族、文化、言葉、見た目の違いなどを理由に差別をしてはいけないことを、子どもにも理解しやすい言葉と絵で丁寧に説明されています。条約内容が具体的な事例で解説されているので、差別のない社会を実現するための考え方や、すべての人は生まれながらに平等であり、誰もが尊重される権利を持っていることを子どもたちにも伝えやすいと思います。

娘の子どもが通う保育園でSDGs教育や多文化教育が行われていることがきっかけで選んだ絵本です。差別をなくすためには法律や国際的な約束は必要だが、文化や考え方の違いは人を分けるものではないということを理解し、差別を見過ごさない力を身につけなければなりません。子どもたち自身が世界のルールを知り、自分の権利はもちろん他の人の権利も守ろうとする意識を育てることで、多様性を尊重し、互いを思いやる心を育んでほしいと感じています。

915()の人権とっとり講座で、著者の阿久澤麻理子さんに講演していただきます。テーマは『差別する人の研究:部落差別の変容と現代のレイシズム』です。ぜひご参加ください。