今月のいちおし!1月

ぼくは挑戦人

著者 ちゃんへん.
発行 ホーム社 1,840円+税




田中澄代

在日であるということだけで壮絶ないじめを受けた彼が、どのような幼少期を過ごし、ジャグリングと出会い、パフォーマーとしてさまざまな文化に触れながら生きている話。

身内が在日と結婚したことで、自分の中では理解できていて、わりとわかっているつもりで聞いた講演。目から鱗だった。その日は、すっきりした。実はそうではなかった。日にちが経つにつれ、何だかモヤモヤもしている自分がいる。そのモヤモヤをはらすというより、もっと知りたいと思った。だからこの本を選んだ。

肩をたたかれた気がした。自分の中で当たりまえとなっている考え方や偏見に気づきなさいと…。本書に出会ったのは、著者の講演がきっかけだが、ちゃんへん.さんの生き方に、大切にすべき考え方のヒントがある。

そしていま、彼のこの思いにとても共感している。何もかもがオンラインに進むのではなく、リアルな人と人との繋がりは大切にしたいと思っています。人が向き合うこと。人と同じ景色を見ること。人は共通点・共有点があると、それだけで互いにとって大きな支えとなる存在になれると思うのです。」

 

機関紙「ライツ」見出しへ戻る