「親子の共依存」が、この映画の大きなテーマかなと思いながらの鑑賞~。ずっと気になっていて、やっとじっくりと観ることができた。
「親子の共依存」は親子の関係においてよくある問題だと思ってきたし今も思っている。親も子も愛し合っていて、なくてはならない関係だということ。それが他人から見ておかしいと思っても、子どもとの関係性が間違っていると指摘されても、最低の母親だと言われても、母親は子を愛し、子は母を愛している。愛し方も、愛される側の感じ方も一様ではなく、愛情にはいろいろな形があるから向かう方向を間違うと、とても厄介なものかもしれない。
何度も自立を試みる少年だが、母を見捨てられず、寄り添うことを選んだ。その成れの果ての結末とは、なんとも哀しくてやりきれない。
2014年埼玉県でおこった祖父母殺害事件をモデルとして製作された作品。長澤まさみさんをはじめとするキャストのリアルな演技力で、それぞれの役から、より一層の切なさが滲み出ている。