センター職員の今月のいちおし!(3月)

キネマの神様

著者 原田 マハ
発行 文集文庫(680円+税)




福壽 みどり

 映画を観るのが好きだ(った)。小学生の時、レンタルビデオ屋というシステムができた。近所だったので、新しものズキの父と歩いて何度も通った。学生時代は、映画館で鑑賞するのが好きだった。自分だけの時間がたっぷりあったのだ。それが、子どもが生まれてから…。経済観念も変わり、映画はちょっとした高級品。なかなか映画を観るための時間の捻出も難しい。いやいやそれ以上に、家で、借りてきたDVDを観るという行為ですら、2時間近くをじっと座っていることが耐え難くなってきた。かくして、今、年に1回必ず映画館で見るのは「名探偵コナン」1本。今年もまもなくやってくる!ウイルス対策を万全に公開を待ちたい。あとは、その年に応じて、子どもたちの成長に応じて+2,3回。

 「キネマの神様」は、映画のお話だ。でも、それだけでない家族再生の物語でもある。そのうえ、地域とのかかわり、仕事との向き合い方、友情、いろんなことを考えさせてくれる。映画も、本も、自分自身が実際には経験していないことを、体験したつもりにさせてくれる。いろんな立場の、いろいろな気持ちに触れることができる。映画館は、思いっきり笑って、これでもかというくらい泣いて、心と体の健康にもお勧めだ。今年はあと+1,2回、映画館に行く回数を増やしたい。まずは「パラサイト」。そして行きたいと思える、いい作品があるといいなーと思う。

 

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