ある出来事から父が在日コリアン2世であることを知った。その父は中学2年生のときに亡くなった。父はなぜ自らのルーツを語ろうとしなかったのか。
あるときいつも絵本を読んでくれていた母の代わりに父に絵本を読んでもらおうとした。けれど文字をすらすらと読むことができなかった父に苛立ち「もういい!」「お父さん日本人じゃないみたい!」と言ってしまった。「もしも今、あのときに戻れるなら…」自らを語る講演の場で自分の最初の「加害」について語らなければならないと言った安田さんは、いったいどんな言葉をつづけたのだろうか。
そしてもうひとつ重要なのがタイトルにもある「兄への手紙」だ。兄は過労で亡くなっている。10歳以上歳の離れた母親のちがう兄へ向けられた手紙は、兄の友人と出会い自分の知らない兄を知ることでその中身を変えていく。
この言葉をもっと届けたいから私は生きるね
兄への手紙にはそう綴られている。安田さんの届けたい言葉とはいったい何なのだろうか。私たちはその言葉をどう受け止めていくことができるだろうか。
著者の安田さんをお招きしての講演会開催を計画中です。詳細が決まりましたら、お知らせします。
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