今月のいちおし!!2017年11月

人を動かす

著者 D・カーネギー
訳   山口博
発行 創元社 650円+税




福壽みどり

 ここ数カ月、「読書会」なるものに参加している。「読書会」の案内を偶然見たとき、その月取り扱う本を、そのときたまたま手にしていたこと、そして、数か月間の予定が書いてある中に、既読の本がいくつかあったことから、なんとなーく運命らしきものを感じ、参加した。自分では選ばない本が課題図書になるのも面白い。そんな課題図書として挙げられていた1冊が、この本『人を動かす』である。帯には、なんと「日本で500万部突破の歴史的ベストセラー 人が生きていくうえで身につけるべき『人間関係の原則』を実例ゆたかに説き起こした普及の名著」と書かれている。スゴイ本である。
 冒頭の話は、稀代の極悪人と称される多くの犯罪者が、自分を極悪人とは思っていないかったこと、むしろ「善行」の無理解、「やさしさ」の無理解、「ただ自分の身を守ろうとした」ことを訴えるのである。翻って、一般の人間はどうか。『人を非難するのは、ちょうど天に向かってつばをするようなものであって、必ずわが身に返ってくる』ものだと、著者は説いている。
 自分には、なかなかできそうもないことがほとんどなので、私は、「人を動かす」才能には、あまり恵まれていないようだ。でも、なるほど役に立ちそうな話が満載である。ぜひ、ご一読を!

 

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