シロさんこと史朗は弁護士。堅実で忙しすぎない今の職場を気に入っていて、定時になれば買い物を済ませ、帰宅して夕飯づくり。健康と節約のため自炊をし、月々の食費を3万円に抑えている。毎日バランスの取れた食事を短時間でサッと作る手際の良さが魅力的だ。彼と同居するパートナーの賢二は美容師。どちらかといえば食べる専門。
最初は周囲の人たちにゲイであることがばれるのを恐れていた史朗と、職場にもさっさとカミングアウトを済ませた賢二。ちょっとしたことで喧嘩になることも多いが、それって男女関係なく同棲生活にはあるある。
クールな史朗は、仕事柄いろんな家族の形に触れることが多いこともあってか、賢二に対する態度が変わっていく。そして、互いを思いやる家族に成長していく。
ゲイカップルということで、まだまだ好奇の目に晒されやすいのが現実。彼ら中年ゲイカップルが日々葛藤している様子も盛込まれながら、日常と食卓を一話完結スタイルで、ほろ苦くも温かく描かれている。
アニメなどのほとんどは、年月が経っても登場人物がいつまでも歳をとらないことが多い。本書は、リアルタイムに物語が進み、史朗も賢二も歳をとっていく。映画やドラマにもなっているので、そちらとあわせて観ると内容がよりわかりやすい。 |