今から15年ほど前、「スラムダンク」という漫画が大流行した。その作者が、障害をもつことになった人たちを題材にした漫画を描いたと聞き、手に取ったのが、この「リアル」だった。 今度の題材は、車イスバスケット。主人公の3人は同級生で、それぞれが厳しい現実を抱えている。中学校時代に骨肉腫を患って足を切断するが、車イスバスケットと出会うことで、自分の居場所を見つけ、自らの現実と闘い続ける戸川。高校のバスケ部でエースだったが、交通事故で下半身不随となり、自暴自棄になり現実から逃げ続けながらも、必死で自分の居場所を探す高橋。そして、彼らの生き様を見つめながら、交通事故で同乗者に下半身不随の怪我を負わせてしまった現実に、一人の人間の人生を棒に振らせてしまったと思い、健常者である自分のやるべきことを見つけようともがき続ける野宮。 車イス生活となった後の学校の対応、友だちの反応、周囲の目。主人公の一人高橋は、自分の障害を直視できず、降りかかった現実をなかなか受け入れられない。彼はその後、どのように「リアル」と向き合っていくのだろうか。 漫画なので、笑いもあり、感動もあり、スポーツの興奮もある。その中に、障害者の偏見、リハビリの辛さ、そして障害者の思いと、ともに生きようとする人の思いが表現されている。現在7巻まで刊行中。 |