昨年、このDVDを作成した「ホームレス問題の授業づくり全国ネット」の共同代表のお二人にお話をうかがう機会があった。
8月30日、人権とっとり講座講演会でフリージャーナリストの北村年子さんからお話を聞くことができた。以前から問題になっていたホームレス襲撃の問題。ホームレスの襲撃も学校のいじめと同じ構造を有しているということ。自尊感情の欠如から生まれているということ。
9月1日には、人権とっとり講座で野宿者ネットワーク代表の生田武志さんに「ホームレスと人権」というテーマでお話をいただいた。そのとき感じたのは、「人ごとではない」ということ。そして、そこには、個人の努力ではどうしようもない不運や社会の問題があるということ。
子どもたちは夜まわりをする前に、ホームレスについて学習する。そこで、現在はホームレスから脱した川口猛さんは子どもたちにこう話した。「いろんな人と関わり、関わってきた人たちに感謝しながら暮らしている今が一番幸せだ」と。
人は人と関わり、つながっていくことで生きていける。たまたま一人のボランティアとの出会いと働きかけがあって、いろんな人とつながって、必要とされて、今はいきいきと暮らしている川口さん。それがなければ、今も路上生活のままだったのだろう。人が人として生きていくために何が必要か、自分の安心できる居場所を得た川口さんから教わったような気がした。
今月発行の「架橋」22号では、生田武志さんに「ホームレス問題授業づくり全国ネット」の活動の内容や、その活動をとおして感じたことなどについて寄稿していただいています。また、8月30日の北村年子さんの講演の内容も掲載しています。そちらもぜひ、ご覧ください。