“ここで必要なのは生命の意味についての問いの観点変更なのである。人生から何をわれわれはまだ期待できるのかが問題ではなく、むしろ人生が何をわれわれから期待しているかが問題である。-われわれが人生の意味を問うのではなく、われわれ自身が問われた者として体験されるのである。人生はわれわれに毎日毎時問いを提出し、われわれはその問いに、詮索や口先ではなくて、正しい行為によって応答しなければならないのである。”(霜山徳爾訳) 朝日新聞ニッポン人脈記「生きること」で、この本にかかわる多くの人のエピソードを読んだ。その後、震災後によく売れている本の1冊としても紹介されていた。一念発起、1956年8月15日に初版された『夜と霧』、そして新版『夜と霧』、両方に挑戦。新版のあとがきに旧版訳者の霜山さんは、「新訳者の平和な時代に生きてきた優しい心は、流麗な文章になるであろう」と寄せている。わたしの大好きな映画「ライフイズ ビューティフル」。内容に対してストンと腑に落ちなかったタイトルだったけれど、フランクルのことば“それでも人生にイエスという”、このフレーズが体をかけめぐって、今体の中心におちついた。一人ひとりの人生は、どんな状況においても、それでも生きるに値する。…今年も夏がやってくる。 |