今月のいちおし!!2017年6月

子どもに貧困を押しつける国・日本

著者 山野良一
発行 光文社新書 820円+税




小谷繁喜

 子どもの貧困が社会問題化し、さまざまないたましい事件・事象、事故などが全国で発生しています。この「子どもに貧困を押しつける国・日本」では、世界の中での日本の子育て環境などの状況や、実際に発生した事件事故の事例、そして日本社会が抱える問題点などを踏まえて今後、国や自治体がどうしていくべきかなどわかりやすく書かれています。
 中でも私が特に思ったことは、教育を含めた子育ての中で、日本は自己責任の考え方が主流で、国や自治体などの責任や支援の仕組みが世界の国々の中でも弱く、この傾向は高等教育になるほど強くなってきている状況にあるということです。
 教育費を含めた子育て支援対策に今以上に税金を充当することについては国民的な議論や財源確保などが必要となるので、非常に難しい問題だと思いますが、今こそみんなで考えてみてはどうでしょうか。

 

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