オレゴン州のとある高校の教室。主人公はそこが自分の居場所だと感じられない少女パク・ジニ。退学処分を受け、その決断を3日以内にしなければならない。 ジニは日本で生まれ、日本の小学校に通った。うまくやれていた、はずだった…日本の歴史の授業がジニとクラスメイトを二分するまでは。そうしてジニは中学1年から朝鮮学校に編入した。クラスではただひとり朝鮮語がうまくしゃべれない生徒として。ジニが慣れるまでのクラスの公用語は「日本語」。特例措置…ジニは納得がいかなかった。北朝鮮が「テポドン」を打ち上げた翌日には、いわれのない暴力にもさらされる。ジニはチマチョゴリを着ていた。 どうして私の日常はこんなにうまくいかないのか。ジニの日常に土足で立ち入ってくる「歴史」「政治」、「憎しみ」。どうしても解けない矛盾。 ジニの目にしか映らない世界。その世界を投げかけられたとき、ジニの解けないパズルの問いの答えを探し続けるしかない。 |