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田川朋博
小学校2年生の私の子どもは、「重たい!」と言いながらランドセルを背負って学校へ通っている。なぜ重たいかと言えばタブレットが入っているからだ。そのタブレットで、宿題をやったり、写真を撮ったり、ゲームをしたり…。家に帰ってからの楽しみはユーチューブを見ることだ。テレビなんてほとんど見ない。「たまにはテレビでも見たら」と勧めるが、ユーチューブの方がおもしろいのだそうだ。もちろん外で鬼ごっこをしたり、サッカーしたり、家では漫画を読んだりということはあるのだが、自分の子どものころと全く違うなあと思う。
本書は、保育園から高校まで、著者が200人以上の教師に取材を重ねた現場報告だ。「ハイハイも体育座りもできない園児」、「老人をお化けと間違えて泣く園児」、「1度注意しただけで学校へ来なくなった小学生」、「クラスメイトの姓すら知らない中学生」、…。これらは本書で紹介された子どもたちの姿の一部だ。これを極端な例だと笑って済ませて良いのだろうか。
生まれたときからインターネットが身近にある環境で育ったデジタルネイティブと言われる今の子どもたち。私たちが育ってきた環境とはまるで違う。「私たちの頃と比べて今の子どもたちは…」とは言えない。子どもたちが育つその環境を作ってきたのは私たちおとなだからだ。生まれた時から人工知能(AI)が身近にある環境で育つ「AIネイティブ」と呼ばれる世代も現れている。どんどん社会が更新されていく。その中でどうあるべきか、どういう社会をつくっていくのか、問われているのはおとなの方だと思う。
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