今月のいちおし!2月 New!

わたしがいる あなたがいる なんとかなる 「希望のまち」のつくりかた

著者 奥田 知志
発行 西日本新聞社 1,870円(税込)




野際章人

この一冊の本は、2025年8月7日に開催された第51回人権尊重社会を実現する鳥取市民集会で、「ひとりぼっちをつくらいない」地域共生社会をめざして!~差別と貧困、社会的孤立に対する取り組みをすすめよう~をテーマに開催されたシンポジウムのパネリストの奥田知志さんが書かれた本です。

 

シンポジウムでは、活動の一部の紹介でしたので、本を手に取りました。

奥田さんは、北九州市で路上生活者への支援活動に参加され、現在、認定NPO法人抱樸の理事長として、子ども・世帯支援・居住支援・就労支援・更生支援・各種福祉事業など多岐に渡る活動をしておられます。

シンポジウムでも紹介がありましたが、希望のまちの敷地は、特定危険指定暴力団「工藤会」の元本部事務所跡地(北九州市小倉北区)です。

自立支援の現場では、社会復帰が課題ですが、はたして「復帰したい社会なのか」という「問い」が奥田さんにはあるそうで、だからこそ、暴力団事務所の跡地に、この「問い」への応答として新しいまちを創ろうとプロジェクトをはじめられ、「希望のまち」の拠点となる施設を建築されています。

拠点施設は、生活困窮者支援や地域交流拠点となる3階建てで、1階には、大ホール・レストラン・コワーキングスペース、相談窓口、2・3階にはシェルターや救護施設を併設し、2026年の完成を目指して建設が進んでいます。

 

困窮と孤立が深刻化する日本社会において、奥田さんたちは新しい「まちづくり」に挑戦されています。「かわいそうな人を助ける」のではありません。奥田さんにとって「あるべきまち」を創るのだそうです。自分の物語を生きることが出来る。それが希望のまちです。そんなまちがこの世界に生まれようといるそうです。

 

わたしがいる あなたがいる なんとかなる で取り組まれている読み応えのある一冊です。


 

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