今月のいちおし!!2012年10月

きみはいい子

著者 中脇 初枝
発行 ポプラ社 1,400円+税




田中 美貴枝

 いじめ、児童虐待、高齢者虐待、障がい者虐待、毎日のように報道されています。障害者虐待防止法が101日から施行されました。難儀なことを抱えている家庭はたくさんあるでしょう。ないほうが珍しいくらいです。難儀事が目に見えている家庭の数以上に見えないようにしている家庭もあるでしょう。いろいろな形での虐待を受けた子どもたちは小さい時の感情を引きずったまま大人になっていきます。自分が悪い子だから親に怒られる、自分がいい子でいてさえいればと考えます。「あなたは悪くないよ」「いい子だね」周りの人のちょっとした心くばりで救われる子ども。周りの人の一言で一瞬でも救われる親。学校、地域、親同士、おかしいなと感じた周りの人が声を掛け、手を差し伸べたら救われる心。それぞれ家庭の事情を抱えてこの時代を生きています。何故そこまでわが子をいじめるのか。いじめながら親も苦しんでいる。子どもはなぜそこまで我慢するのか、親が好きだから愛されたいから。読んでいると悲しくて切なくなってくる本ですがぜひ読んでみてください。すべての子どもたちが愛に包まれて暮らせますよう。

 

機関紙「ライツ」見出しへ戻る