公害問題は人権問題である。四日市公害の取材から写真家人生をスタートさせ、世界ではじめて原発内部を撮影し、40年以上被爆労働を追い続けてきた著者。
「原発はクリーンで安全」「コンピュータで動いている」、そんな安全神話の裏に隠され続けてきた原発内での被爆労働の真実。「原発では最も危険な現場に、弱い立場にある人を送り込む」、それはマスコミにも出ることのない「暗黒労働」。そこには差別のうえにこそ成り立っている労働形態が存在している。
「反社会的」「反国家的」「過激写真家」「国賊」…そんなレッテルを貼られ続けてきた著者は、単に事実報道をするだけでなく、その事実に基づいて真実を追求する。
今一度考えてみたいと思う。社会に必要な本当の「豊かさ」とはなんなのか、と。
『お金もうけのために、誰かを犠牲にしていいなんていうことは憲法にはない』…