20年前、36歳の若さで亡くなった県内に在住していた方の「詩」「絵画」「書」の本です。その作品一つひとつに深い思いがあり意味がある。その詩や言葉を読むにつけ、日常を当たり前のこととして、時には不平不満を言いながら暮らしている自分のあり様を考えさせられてしまう。 いったい生きるって何なんだと問いながら短い生涯を生きた彼。読んでいると文字が霞んできます。(老眼のせいではありません) 「手が、足が、口が不自由で、心までも不自由だ」という彼の言葉のなかにある心情をおもうと切なくなる。 今ほど、制度的にも社会的のも理解のなかった時代にあり、自分は障害者だというありのままの姿を心を詩にして、人として本当に生きるという意味を問い続け、自立を考え、そして終えた短い生涯。人生を生ききったのか、果たせなかったのか。せめて心は自由に生きたかったというおもいが切なく伝わってくる。本の題名になった詩、「命は 命で 守るもの」、彼の一番好きだった言葉だそうです。 銃で 正義を守るのか 軍備で 平和を守るのか 核で 国を守るのか 銃で 命は守れるか 軍備で 命は守れるか 核で 命は守れるか いや 守れはしない それらは命を奪うのも 命は 命で 守るもの 命は 命で 守るもの 心を自由に生きる、とは。そう生きられる社会とは。
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