今月のいちおし!!2014年12月

自分を抱きしめてあげたい日に

著者 落合恵子
発行 集英社新書 720円+税




田中美貴枝

 頻発する地震、御嶽山の噴火、阿蘇山の火山活動、自然が猛威をふるっています。美しい自然の風景と併せ人間の力ではどうしようもない怖さを持っているのも自然です。そして、日常生活においてなんとなく豊かさを感ずることができないのは気のせいでしょうか。
 経済的に豊かでなくても、好きなことを続ける平凡な毎日、それが積み重なって平凡が非凡になる。だから平凡でいいんです。そんな絵本が3冊紹介されています。そして、“自分を抱きしめてやりたかったら”から“女である、ということが痛かったら”まで20の処方箋が載っています。“勘違いの罪ぶかさに、おののいたら”の項には「手を振ってるんじゃない、溺れているんだ」の詩が……。詩や物語を紹介しながら的確なすてきな言葉が綴られていて、納得したり、慰められたり。
   ……ことばって、なんだと思う?けっしてことばにできない思いが、
                          ここにあると指すのが、ことばだ。……
 詩人、長田弘さんの「花を持って、会いにゆく」という詩の一節だそうです。
 ~ことば~落ち込んだとき、元気なとき、目にし、耳にするその時々によって心へのあり様は違うと思う。

 

機関紙「ライツ」見出しへ戻る