今月のいちおし!!2016年10月

「国家を考えてみよう」

著者 橋本治
発行 つくまプリマー新書 820円+税




田川朋博

 「国家」とは何か?英語では、「ネイション(nation)」と「ステイト(state)」という2つの考え方があるらしい。「ネイション」は「国民の支持や合意によって出来あがるもの」で「国家=国民」という考え方、そして、「ステイト」は「領土の確保によって出来あがるもの」で「国家=領土」という考え方。近代国家ということで考えると、「ネイション」ということになるらしい。例えば、国際連合が「UN-united nations(ユナイテッド・ネイションズ)」となっているように。
 この本では、世界で、日本で、国家というものがどのように考えられてきたのか、どのような経緯を辿ってきたのかが紹介されている。そして、日本がこれからどこに向かっていこうとしているのかも。
 今、日本では憲法をこれからどうしていくのかということが盛んに言われている。今の憲法をどのように変えようと考えられているのか、どのような国にされようとしているのか。国家が国民のものであるならば、“誰かに決めてもらう”ではなく、“自分で決めよう”でなければならない。大切なことはちゃんと考えなければならない、改めてそう感じた。

 

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